リブロとジュンク堂

 

書店風雲録

書店風雲録

 田口久美子『書店風雲録』を読む。池袋のリブロを担った書店員たちの物語(著者はいまは隣のジュンク堂に働いている)。



 堤清二のパルコ文化の時代であり、ニュー・アカの全盛時代、歴史のないリブロ書店がいかにそのような時代の空気をつかみ、発展していったかを描くルポルタージュである。本屋が生き生きしていて、「本の雑誌」のような新しい雑誌を出版の素人が作り出してしまうような時代である。



 まあ、今となっては隔世の感があるが、そういう時代があったのだ、ということをうらやましく思う(僕はそういう時代の空気の残りかすしか味わえなかった世代である)。ちなみにR大で非常勤をしていた頃は、帰りにリブロとジュンク堂でそれぞれ一時間近く立ち読みをしたなあ。僕にとってどちらも懐かしい本屋である。



 ちなみに先日、久しぶりに池袋の駅をおり、二つの書店に行った。リブロは入り口すぐの人文書新刊コーナーに、僕の本を平積みにしていてくれた。いいぞいいぞ。ジュンク堂は、3階の文庫の隣の選書コーナーに置いてくれているけど、4階の人文・思想の階には置いてくれていないんだな。う〜む、やっぱり4階に置いて欲しいなあ。