日韓シンポ

 日韓の政治思想学会の交流プログラムに出席する。昨年のソウルでの会に続き、二年連続である。いや、しかし、去年のソウルの夜はすごかった。韓国のみなさんの歓迎は半端ではない。とことん歓待してくださり、したがって、とことん飲んで、とことん歌わなければならない。いやはや、たいへんなのだ。



 今年は日本開催なので、その点は若干おとなしめ。しかしシンポジウム自体は、やはり彼我の違いを思わざるを得なかった。たまたまそういう顔ぶれだったのかもしれないけど、やはり韓国の政治思想学者で目立つのは、一方できわめて抽象的な理論志向が強いのに、他方できわめて政治的であるという点である。場合によって、両者の間のロジックが「?」なときもないわけではないが、やはり過去の朱子学的な形而上学的志向と、両班知識人の伝統であろうか。日本の研究者とはちょっと違うなあ、とあらためて思った。



 逆に言えば、日本の研究者は、それほど過度に抽象的な理論志向は強くないし、突出した政治性を示す人も多くない。まあ、中庸なのかもしれないけど、日韓の違いなのだろうか。