採点

 ひねもす試験の採点。しかし、やってもやっても答案が減らない。いったいどれだけ時間がかかるやら。


 しかしこの手の採点というのは、20〜30枚目までは試行錯誤の連続であり、何度も点数をつけ直すのだが、50枚あたりを過ぎると採点基準も固まり、だいぶ自動的に採点できるようになる。ぱっと見ただけで、だいたい*点ということがわかるのだ。ただし、150枚を越えたあたりから、どの答案を見ても、それまでに読んだいずれかの答案と同じに見えるようになり、答案を読む新鮮さがなくなる。以後は、ひたすら採点済みの答案とまだの答案の厚さを比べて、励みにしたりため息をついたりの連続である。


 たいへんではあるが、採点も一種のコミュニケーションである。答案を読んでいると、それを書いた学生さんの表情や気分(必死に覚えてきたことを書く/ちょっと教師にもの申してみる/ふてくされている、などなど)がなんとなくわかる。ちょっとでも面白いことが書いてあると、にんまりする。まあ、ささやかながら採点の楽しみである。