漫画

 前にも少し書いたが、僕は小さい頃、漫画少年だった。小学校が終わると、やはり漫画好きな友人の家に入り浸り、そこで漫画を読んだり描いたりしていた。ちなみに、この友人、のちには美大を出て高校の美術の先生になったと風の噂に聞いていた。


 ある日、彼からメールが来た。今、漫画家をやっているという。僕が文章を書いた某新聞の文化欄に、ちょうど彼も漫画を描いていて、彼の母親がそれに気づいたのだという。


 つい先日、別の新聞で、防災漫画の記事がのっていた。お台場で地震が起きたら、というストーリーらしいが、その作者がその友人だった。しかも、その記事を書いた記者も僕の友人だ。へえっと思ってその新聞記者の友人にメールしたら、今度は漫画家の方の友人からも電話がかかってきた。


 中学校を出て以来、ろくにあったことのない友人と何十年ぶりに話をするというのは不思議な気分だった。でもなつかしかった。そのころ読んでいた漫画の話になると、急に気分は昔に戻る。


 この友人、その方面ではけっこう有名人らしい。ただし、少年少女の耽美的な殺人劇など、僕的には、ついていくのがしんどい漫画も描いているという。今度読んでみようかな、ちょっと怖いけど。