自分の専門

 午前、午後と別の会議であったが、自分の専門について否応なく考える機会となった。


 僕が勤務するのは共同研究を目的とする研究機関である。メンバーはそれぞれの専門を持っているが、とうぜんのことながら、自分の専門分野にこもって、それ以外のことには口を出さない、というわけにはいかない。が、かといって、結局のところ研究者は自分の専門分野があってこそ研究者なのであり、それを見失ってしまっては、本拠地がなくなってしまい立ち枯れてしまう。まあ、それは分かっているのだが、二つの間でバランスをとるのが難しい。


 ある意味、他の分野の人と交流するためにこそ、たえず自分の専門の専門たる所以を確認し、それをディフェンドし、アピールしていかなければならない。


 ここ数年、自分の幅を広げたいと思ってやってきた。が、やはりここで、自分の足場をもう一度確認し直したいと、痛切に思った。