新興住宅地と神社

 僕のいま住んでいる街は、私鉄沿線の新興住宅地である。新興といっても開発をはじめたのが僕の生まれた頃だから、まあ、それなりの歴史はある。が、街の名前の付け方がいかにも新興住宅地風であり、開発が行われる前の地名は今では地区名などにかろうじて残っているだけだ。


 それなのに不思議なことに、お寺や神社はわりと目につく。Daichiの保育園のそばにも神明社という神社がある。今日は一日家で仕事をしたのだが、昼食後に少しだけふらふら散歩をしたところ、小さな神社に行き当たった。とても小さい、神主さんのいない神社だが、一応由緒書がある。この地域はサル害がひどかったので、サルを神として祀ったとのこと。というわけで、祭神は猿田彦尊。なんだか安易な気もするけど、面倒くさいものは神様にしちゃえ、という発想に、ある種の知恵を感じる。僕もいろいろ祀らないといけないものがあるな。


 えーっと、何がいいたいかというと、新興住宅地の地面の下にも古い土地は残っていること、その古い土地のにおいが、神社のようなとくべつの場所では感じられること。それがおもしろいなーっていうだけ。


 ちなみに今年になって、すでに五つの神社に出かけた。うち三つが有人で、おみくじをひいたら、吉・中吉・吉であった。あんまりぱっとしなさそうな一年の始まり。どれも全般的な運勢は「まあまあ」、学問は「努力せよ」、それから願いごとは「期待するな」だそうである。