今年の講義終了

 ここ数年、大学1年生向けの政治学入門講義をやっている。正直いって、大学も3、4年目になると、良い意味でも悪い意味でも、大学という場所の実情がわかってしまい、教師や講義への期待水準もあるところで安定する。したがって、講義に出てくるような学生さんというのは、概してまじめで、ほっぽっておいても、それなりに講義をよく聴いてくれる。これが1年生となると事情が違う。別に関心がなければ講義にも出てこないでよろしい、と言っているのに、わざわざ出てきてがやがやしている。ということで、どうも1年生の講義、とくに大教室でやる大人数講義については、苦手意識を持っていた。


 が、今年の1年生はどういうわけか、まじめによく話を聞いてくれる。もちろん、後ろの方にすわっている連中の中には、すきあらば隣とおしゃべりしそうなのもいる。実際、こちらのテンションが下がって話が散漫になると、そういう連中は体がむずむずしてくる。でも、まあ全体としてみると、今年の学生さんはなかなかいい感じで話を聞いてくれる。授業の後にも熱心に質問に来る人が少なくない。


 どうしたのかな、少し講義が上手くなったのかナ、なんてちょっとうぬぼれてみる。まあ、そうでもないだろうけど、ともかく今年最後の講義は気持ちよく終わった。