希望を語ることは難しいことだ

 職場の共同研究の話を、職場とはまったく関係ない、自分の尊敬する何名かの政治学者の前で報告させてもらった。この人たちの前で恥ずかしい話はできないと思って、必死に考えしゃべった。結果として、自分なりに、今の時代において希望を社会科学の対象として論じることには意味がある、と再確認した。もちろん、反応はけっして生やさしいものではなく、かなり手厳しいコメントも相次いだ。が、自分なりに考えをまとめ、コメントをもらってうれしく思った。


 希望を語ることは難しい。希望を語る言葉にはつねに虚偽がつきまとう。そして、場合によって、希望を語ることは、とても残酷な意味を持つことがある。「希望なんてあえて語らない方がいい」という言葉の重みをかみしめつつ、それでも希望について考えていきたい。