ジグムント・バウマン

 ジグムント・バウマンの『リキッド・モダニティ』、『政治の発見』を読む。ポーランド出身のイギリスの社会学者ということで、今まであまり縁がなかったが、読んでみるととてもおもしろい。この人の本、読んでいるとしばしばギリシャ出身のフランスの哲学者コルネリュウス・カストリアディスからの引用が出てくる。カストリアディスは僕にもなじみの研究者だが、調べてみると二人はほとんど同世代、ヨーロッパの中で、祖国を離れて活躍している点など共通点が多い。あと社会主義との苦難に充ちた関係が、その思考の大きなポイントになっている点も似ている。クロード・ルフォールなんかもほぼ同い年だな。この世代のヨーロッパ知識人にとっての、社会主義体験と亡命体験という、ある種の時代の共通体験の重要性を、いまさらながら考えた。