世界における日本研究の状況

 職場で二日続きの国際シンポ。多少は顔を見せないと、ということで午前中だけだけど出席する。テーマは国際的な日本研究の現状。各国の、かなり有名どころの日本研究者が集まり、現在の世界的な流れの中で日本研究の置かれた位置と状況を考えるというもの。


 しかし、思った以上に状況は厳しい。やはり各国における日本への関心はかなり低下しているようだ。学問的な日本への関心は、第一派がジャパノロジー、日本語や日本文化に対する関心に基づく人文的研究。第二派は日本の経済的発展に対する社会科学的研究。第三派はアニメなどを中心とする文化研究。第一派はすでに絶滅。第二派も激減した上、残った人は学者にならず企業や研究機関に流出。第三派は繁盛しているが、大学での日本研究という意味では、、、結果的に日本研究を銘打った機関で学ぶ学生の数は減り、容赦なくそういう機関はなくなっているようだ。イギリスなど日本研究を冠した名前の大学の研究所が三つも消滅したとのこと。


 それにしても各国の学者の置かれた状況は厳しい。学生数が減るとその研究分野のポスト削減、数年おきに各研究者の研究成果が評価され、その結果に基づいてその組織の予算削減。日本でも進んでいる事態だが、今日聞いた内容から言うと、日本より厳しいかも。


 日本の研究者への要望として、各国における日本への関心が高まるよう何とかしろ、というのがあった。どこもかしこも関心は中国、インドへ。日本への関心を高めるにはどうしたものか、、、名案はないなあ。もはや、「日本研究」というスタイルでは、どうにもならないかも。