憲法学

 なぜだかわからないけど、とあるきっかけで憲法の教科書を読み出す。それも芦部憲法学ではない。司法試験予備校業界のカリスマ伊藤真のテキストである。


 ふ〜ん、いろいろなことを手際よく説明しているのに感心。しかもある種のリベラリストの視点が貫かれていて、それはそれとしていさぎいい。


 しかし政治思想史の人間としては、自由とデモクラシーの関係など、憲法学の業界ではこうもすっきりした話にしてしまうのかと、ちょっととまどう。「近代市民革命」という言葉遣い、社会契約論の説明の仕方なども、かなりレトロな感じがする。


 それにしても、これだけ話をすっきりとしてもらうと勉強する側としては楽だよなあ、と思う。政治思想史業界で、こういう予備校風テキストを作った場合、どんなものができあがるのだろうか。そもそも、それって可能か、などとちょっと考えてしまう。