『ザ・フェデラリスト』

 今学期の演習では『ザ・フェデラリスト』を読んでいる。が、参加者には、アメリカを研究している人はいなくて、もっぱら日本・アジア・ヨーロッパの研究者が集まっている。ということで、いったいぜんたい、どの程度アメリカ史の知識があるのかわからず、手探りで演習をやっている。


 といいつつ、自分の知識もたいしたことがないので、いろいろ調べながらやっていると、実にまあ、アメリカ建国期の政治的プロセスというのは複雑で、よくも憲法制定にこぎつけたものだと感心してしまう。『ザ・フェデラリスト』という本は、まさにこのような状況の産物であり、この複雑な本をはたしてうまく読み解いていけるか、ちょっと工夫のしどころである。


 でも、とりあえず今回は参加者が多いだけでも楽しみがある。専門もかなり多様であり、複雑な本を、いろいろな視点からつっこんで、わいわい読んでいきたいと思っている。