お墓参り

 友人のお墓参りに播州加古川まで出かけた。大学院時代の友人で、亡くなって3年になる。


 天気はあいにくの雨だった。でも友人の実家で、友人のお母さんとゆっくり話をできたのはよかった。思いがけず立派な日本家屋であった。建ててから100年という。こういうところで育ったのかと驚いた。自分は友人のことをどの程度理解していたのかな、とあらためて思った。その家に来て、小さい頃から友人が見続けたであろう風景を眺め、ちょっとだけ理解が深まった気がした。おそすぎたかもしれないけど。



 お母さんが「人は二度死ぬ」と言ったのが記憶に残る。友人その人が亡くなったときが一度目の死、友人を知っている僕らがこの世から全員いなくなるのが、友人にとっての二度目の死。それでいうなら、友人は一度目の死は経験したけど、まだ二度目の死には至ってないということか。