情操教育

 今日も一日、Daichiをつれて、ふらふら歩き回る。いつも通り、なんら変わりのない土曜日である。



 先日、『学士会会報』を読んでいると(卒業式のどさくさで入らされた。以後、退会手続きをとらずに今日に至っている)、海や山など自然に接触する機会の多い子供ほど、あいさつをはじめとする社会の基本的ルールを守る子供になる、という統計結果について紹介があった。



 いかにも、うさんくさい話である。お役所がやっている調査らしいが、なんとも「ためにする」調査に思えてならない。



 子供は自分では海にも山にも行けない。したがって、海や山に行く機会の多い子供というのは、それだけ親が手をかけている子供ということになるであろう。したがって、親が子供の教育に手をかけているほど、子供にもある種のしつけがなされるというのは、いかにもありそうな話である。



 なーんて、思いつつ、そういう話を読むと、それでは海か山に行こうかと思うのが、我ながら浅ましい。でも、やる気のない、僕のような親は、手近な商業施設に行って、子供の情操にも道徳感情にもなんら良い効果をもたらしそうにない、騒がしい環境の中に子供を連れていってしまうのだ。まー、それが親にとって楽だとしか言いようがない。ショッピングモールの中の子供用施設を一日渡り歩いた親として、そう思うのである。