南原繁
小泉は結局靖国に参拝してしまった。それに対抗する企画をということで計画された「8月15日と南原繁を考える会」については、前にこのブログでも書いた。
僕も参加申し込みをしたのだが、ウェイティング・リストに入れられ、こりゃ駄目だと思っていたところ、主催者の東大出版会のご厚意で入場させてもらった。なんとなくずるをした気がして後ろめたいがラッキーだった。
総合司会は立花隆、スピーカーに、佐々木毅、姜尚中、高橋哲哉、大江健三郎となかなか豪華だった。正直いって、なぜ南原を(例えば、丸山ではなく)ここで、このタイミングで持ち出すのか、その選択がどれだけ政治的に有効なのか、最後まで説得的な話は見えてこなかった。が、各論者がそれなりに誠実に南原の言説と向きあい、今日的指針をそこから引き出そうとする真摯な努力をしていることは十分に理解できた。
それにしても、入場者の過半はやはり高齢者であった。若い世代に対して南原の言説を魅力あるものにするためには、さらなる努力が必要ということだろうか。