話し方

 先日のオープン・キャンパスの日、僕のいるような、学部学生を持たない組織でも何かやれということで、現在進行中の二つの研究プロジェクトの紹介と、社会調査の初歩についての講習を企画した。いくらなんでも、うちのような、外部の人間、とくに高校生に全く名前の知られていない組織に来る人もあるまいと思っていたのだが、あにはからんや、結構な数の高校生がやってきた(うちの組織の建物はキャンパスの中でもまん中あたりの、わりと良い場所にあるので、キャンパス見学途中の骨休みの場所として利用されているという気もするが)。


 僕もこの高校生相手に話しをするということだったが、結局他の人がやってくれるということでお役ご免になった。が、あとで、やった人の話を聞くと、「いやあ、やっぱり高校生相手に話をするのは難しい」とのことだった。僕も記憶があるのだが、かつて母校で話をしたとき、いやというほど、それを痛感した。


 やはりこちらの話すことに関心をもなければ予備知識もない人に、ちゃんと話を聞いてもらうのは難しい。「なんかおもしろい話なら、聞いてあげてもいいよ」という顔してやってきている彼ら彼女らの気をいかに引きつけ、そらさないか。ちなみに僕らのプロジェクトリーダーのGさんの話は、釜石の高校生相手でも好評だったそうだ。今度一度、聞いてみよう。