終わった終わった

 ええっと、実は昨日の記憶があまりない。たしかともかく緊張しているうちに、報告の本番が来てしまった気がするのだが、それまでのプロセスがはっきりと思い出せない。それだけ緊張してたってことか。


 僕の福岡滞在は五日目、学会自体も四日目。日本人参加者の多くは7月のこの時期にそれほど職場を離れられないということで次第に消えていく。外国人参加者の方も、観光の方に目が向きがち。ということで、これまでに比べ、だいぶ目にする人の数が少なくなってきた。自分のセッションに関しては、恥ずかしいのであまり人に来て欲しくない気もするが、反面、少なければ少ないでなんとなく寂しい。が、ある意味予想通りで、あまり出席者は多くなかった。のべ30人、いくかいかないか。それでも報告者の一番バッターは世界的にも有名なケンブリッジのD先生ということで、外国人参加者の姿もかなり目についた。


 あっという間に僕の番になる。前の晩からかなり手を入れたのと、始まる直前まで繰り返し声を出して読む練習を続けたせいか、まあまあ、わかりやすい報告ができたのではないかと思う。終わった後、何人かの外国人研究者が近寄ってきて関心を示してくれたのが、なによりうれしかった。D先生ともいろいろお話でき、今度ヨーロッパに来る際はパリからケンブリッジへグランド・ツアーをするように、と声をかけてもらえた。が、悲しいことに、このD先生の言ってること、実は半分くらいしかわからない。英国アクセントも難しいし、そもそも言っている内容も、、、う〜ん。


 セッション開始が3時半で、終了が夜の7時近く。ふらふらになりながら、荷物を引きずり、その足で福岡空港に向かう。夕食は空港ターミナルで博多ラーメン。う〜ん、この間なんどもこのとんこつラーメンを食べたな。紅ショウガをたくさん入れて食べる。ひたすら緊張からの解放感を楽しむ。その後まだ時間があったので、同じターミナル内のバーで焼酎「森伊蔵」を飲む。たしかに、これおいしいな。ふふふ、余韻にひたりつつ、夕焼けの飛行場をぼんやりながめながら、「森伊蔵」を飲む男。いやあ、ハードボイルドだ。ひっひっひ。


 結局羽田に着いたのが夜11時過ぎ。最終バスにのって家路についた。