セッション周遊

 今朝も6時起床。ペーパーを読んだり今日出るセッションを考えたりしているうちに、あっという間に時間が過ぎる。あわててホテルを出る。



 今朝もしばらくは受付に立つ。が、もうほとんどすることはない。すべて登録は順調。さて、それでまずどのセッションから出ようかと考える。実はこの学会後、学会全体の議論の概観をするという仕事がある。400近いセッションがあるのに概観もへったくれもないが、しかたがないので、なるべく大会全体のテーマ「デモクラシーは機能しているか」に沿ったメインテーマ・セッションに出てみることにする。最初に顔を出したセッションはNGOの役割についての、やや理論的なセッション。といっても僕が聞いた内容は、新しい市民社会論の復習+ヨーロッパの左派(グラムシ系)の政治理論の整理、という感じでそれほど感心せず。途中で抜けて日本側企画のハンナ・アレントについてのセッションに出る。



 昼は事務局スタッフ控え室で、S先生と食事をとる。あまり食欲の進む環境ではない。



 午後はアジアにおけるジェンダーとデモクラシーというテーマのセッションに出る。が、始まる時刻になっても、部屋にいるのは報告者と僕だけ。後から遅れて数人入ってきたがいずれにせよ、4,5人というところ。「これはメインテーマ・セッションだろう」と言いたくなるが、まあ、しかたないか。ところが司会者が、こんなに参加者が少ないのだから、報告は短く切り上げ、みんなで討論しましょうと言いだし、あせる。全員の報告が終わったところで逃げ出す。ちょっと後ろめたい。その後、今度は知人たちが自主的に企画したセッションに顔を出す。



 ひっきりなしに知人に会う。学会というのは実に効率よく人と会えるな。その後、再度日本側企画19世紀自由主義のセッションに出る。最初の報告はTさんのフランス自由主義論。かなり僕の報告と扱っている対象はかぶるものの、僕などよりはるかに正統的な思想史的報告。英語の発音もフランス語の発音もあまりにすばらしく、うっとすると同時に、自分が報告をするのがいやになった。



 夜は古い友人(学会以外の人)と会って、旧交を温める。



 明日も朝からがんばって、なるべくたくさんのセッションに顔を出したい。