仲直り

 Daichiを保育園に迎えに行く。いつもすぐには帰らず、園庭で他の子と数十分遊んでからようやく家路につくことが多い。が、今日はあいにく遊び仲間が見あたらない。


 Daichiはじいっと誰か来ないか見つめている。最初に出てきたのがAちゃん。なかなか目鼻立ちのはっきりした女の子である。「Aちゃん〜」、Daichiはでれでれする。ふ〜ん、君もなかなか気が多いね。Aちゃんもわざわざ駆け寄ってきて「Daichiくん」と声をかけてくれる。でも、残念ながら、お母さんに呼ばれ、さっさと園庭を後にした。


 次に出てきたのがT君。Daichiの遊び仲間の一人だ。さっそく二人でなかよく遊ぶが途中から雲行きが怪しくなる。T君はときどきちょっとした意地悪をする。いつもは黙って受け流すDaichiだが、今日はなぜか途中から泣き出しながら怒る。「そういうのはいけないんだよっ!」。思わず反撃を受けたT君も引けなくなる。お母さんから、「Daichiくん泣いちゃったわよ、あやまりなさい」と言われ、ますます意固地になる。


 こういう時って、父親として、どう対応すべきなのかな。まあたいしたことじゃないし、ほっぽっておいてもいいんだけど。それでも、頃合いを見て仲直りをするよう二人に促す。


 とりあえず仲直りして、僕らも家路に。「ちゃんと仲直りできて、えらかったじゃないか」と言うと、Daichiはちょっと自慢げ。「Daichiはちゃんと握手したよ。Tはちょっと、困ってたけどね」。はは、えらそ〜。