ペーパーを読む

 シンポジウム初日。正直なところ、ペーパーを書いた後、すっかりこのシンポのことは忘れていて、昨晩になって自分の書いたペーパーを読み直し、「ほ〜、こんなことを自分は言おうとしたのか」と思い出す。


 というくらい、ほとんど覚悟も緊張感もなく、本番にのぞんだのだが、そのようなのんきさはたちまち吹き飛ぶことになる。驚いたのはコメントやフロアからの質問の厳しさである。実に手厳しいというか、ぼろくそな質問やコメントがあいついだ。厳しいのはもっぱら韓国側で、日本人報告者への質問やコメントも厳しいのだけど、それ以上に韓国人間のやりとりが、実にストレートに批判的。ほとんど全否定的なコメントがポンポン出て、聞いているこちらの方が、はらはらするほどであった。


 そういう中、僕は二つめのセッションでペーパーを読む。が、第一セッションほどやりとりははげしくなく、なかなかストレートな発言も多かったが、それなりに楽しめた。何を言われるかとびびっていたけど、結構刺激的で、おもしろいやりとりができたと思う。しかしまあ、韓国の方はあつい人が多いなあ、という印象。


 ちなみに昼食をご一緒した韓国の学会長の先生は、顔が田原総一朗にそっくりで、眼光鋭い人だった。でも話してみると、なかなか気さくでベタな英語しゃべるべたなおじさんであり、親しみの持てる方だった。夕食もまたまた差し向かいとなり、こんばんは夢に田原総一朗が出てきそう。う〜ん、夢でも緊張しそう。