だるまちゃんとてんぐちゃん

 雨の土日の過ごし方、ということで、図書館に出かける。僕の住むX市、人口や財政規模に比して、図書館行政はかなり貧弱である。もう少し立派な図書館が欲しいが、文句も言ってられない。けっこうおもしろそうな本も見つけたし。


 子供の本のコーナー。『だるまちゃんとてんぐちゃん』を読む。タイトルは聞いていたけど、はじめて中身を読む。

だるまちゃんとてんぐちゃん

だるまちゃんとてんぐちゃん

しかし、この本の著者の発想、かなり不思議である。なんで「だるまちゃん」と「てんぐちゃん」なのだろう?だるまもてんぐも子供という設定なのだが、いかめしい顔をしただるまとてんぐが、子供ということで対話を繰り広げるなんて、どうやって想像したのだろうか。シュールというか、なんというか。不思議だ。


 でも、話の内容は素直なもの。子供は誰も、他の子が持っているものがうらやましくなる。だるまちゃんがてんぐちゃんの持っているうちわやはきものが欲しいということで、お父さんに相談したところ、だるまちゃんのお父さんは知恵を使って、いろんなものを用意してくれる。それでもだるまちゃんは次々にいろんなものが欲しくなり、だるまちゃんのお父さんは頭を抱える、という話。


 だるまちゃんのお父さんが持ってきてくれるものがユーモラスな点がいい。それに、だるまちゃんは、お父さんのもってきてくれたものにすぐ大喜びするし、それをてんぐちゃんもにこにこ見ているということで、素直で優しいストーリーなのもかわいらしい。しかし、僕が一番印象を受けたのが、だるまちゃんのお父さんは、だるまちゃんがいかにだだをこねても、怒らず、いつも優しく接している点。僕がだるまちゃんのお父さんだったら、早々に「いいかげんにしろ!」と怒りそうだなあと反省していたら、「おもしろいところに感心するねえ」とA-sanに言われてしまった。