ウェーバー

 牧野雅彦『マックス・ウェーバー入門』(平凡社新書)はアメリカに行く機内で読んだけど、なかなかよく書けている本だと思った。ウェーバーの解説本というと、プロ倫、『職業としての学問』、『職業としての政治』といった本にしか触れないものも多い。あるいは、いったん方法論上の話となると、異様に専門的になり、素人には少々しんどい話になる。この本は、コンパクトにではあるが、ウェーバーの多様な著作について体系的に論じているし、方法論的な話についても、現代の社会科学のあり方と関連させて、今日的意味を見失わずに書いている。もう一度、ウェーバーの諸著作をきちんと読んでみたいなあ、と思わせる一冊。