携帯

 ついに携帯電話を買った。今頃、と言われそうだが、これまで正直、必要を感じてこなかった。家と研究室を往復する毎日だし、その双方に電話がある。だとすれば、携帯は、家と研究室の移動中にのみ必要ということになる。はたして、そのためにお金を出す必要があるのか、と思っていたのだ。


 しかし本音を言えば、携帯を持つのが、うっとおしく感じられたのだ。なんだか、どこに行っても電話に追われるのはかなわないし、そもそも機械に弱い僕は、携帯の操作というのが、どうも面倒くさそうに見えてならない。


 が、保育園からの呼び出しもあるし、迎えにいくのを代わってもらうこともある。そういうとき、やはり携帯は便利であろう。待ち合わせのときなどにも役に立つ。


 何より、ここで携帯に取り残されると、今後の技術発展には、もはや絶対についていけないだろうという気がする。まあ、それが一番の理由だろうか。ちょっとおおげさだけど。


 今後も、技術発展の周回遅れぎりぎりというあたりをキープしたい。