「私をスキーに連れてって」

 今朝の朝日新聞別刷りBEには、「私をスキーに連れてって」についての記事があった。バブル期のあの頃、ユーミンの歌とあの映画を見て、スキーに出かけ、マニュアルにそった恋愛ゲームに邁進した世代がいた。今でも、その世代の人間が、「そうそう、あの映画見て、スキーに行ったね」と思い起こす反面、若い人はこの映画を見ても、まったく無関心であると書かれていた。まあ、そうだろうな、と思いつつ、この映画をみて、映画の舞台となったホテルにつとめることになった人のインタビューを読んで、「ああ、僕らと同世代だ」とA-sanと話した。


 が、よく考えてみると、これはこれで、後から作られた世代経験であるという気もしてきた。振り返ってみると、僕はほとんどスキーに行ってないし、ユーミンのコンサートにも、サザンのコンサートにも行ってない。だいたい貧乏院生だった僕は、バブル時代もその後も、あまりバブルらしい、いい思いをした記憶もない。


 でもまあ、自分もまた、あの頃のバブリーな雰囲気をどこかで吸い込んで生きていたのも否定はできない。あの時代の軽薄といえば軽薄極まりない、しかし、ある種の明るい雰囲気を不思議な気分で思い返す。