オシム本、再び

 もう、オシム本は出ないのかな、と思っていたら、出た。千田善オシムの伝言』(みすず書房)である。オシム・ファンとして読まないわけにはいかない。

オシムの伝言

オシムの伝言


 千田さんは、オシムが日本代表チームの監督をしていたときの通訳の方とのこと。それ以前は、民族紛争などの問題について、大学で教えていたという。この本は、通訳の立場から見たオシムについてのレポートであるが、そこかしこに著者の知識や経験がうかがえ、なかなか読み応えがある。


 それにしても、やや意外なのが、みすず書房から本が出たことだ。もともと雑誌の『みすず』に連載されたとのことだが、人文社会系の教養書出版社というイメージの強いみすずから、サッカー関連の本が出るとは珍しい。


 やはりオシムは哲学者ということか。それにしても、オシムが病に倒れたことが惜しまれてならないなあ。いや、だじゃれじゃなくて。