反省

 論文を書くためにいろいろ調べていると、次から次へと新しい本、新しい論文に出会う。これも読んでみたい、あれも読んでみたいと思っているうちに、「そうだそうだ、僕はいま、締め切りの過ぎた論文を書いているのだった」ということを思い出す。


 それにしても、アメリカでもフランスでも、若い世代の政治理論研究者に優秀な人が多い。この世代、まだ(あるいは今後もそうかもしれないけど)ものすごい有名人はいない。でもまあ、ぱらぱら見た限り、着眼や発想においてシャープでスマートな人が少なからずいる。新しいパラダイムを作り出すという感じではないけど、過去の遺産をしっかりと消化し、現代的関心に合わせて、たくみに再編成している。まあ、しばらく、こういうスタイルでいくしかないよな、と思う。


 が、それにつけても、自分の遅々たる研究の歩みを振り返ると、焦りがますばかり。まあ、しっかりと腰を入れて勉強しようと、あらためて反省する。