ドラッカー

 ピーター・ドラッカーにちょっと興味を持っている。どうもドラッカーというと、「経営の神様」とかいって一部に持ち上げる人がいる。『経済人の終わり』や『ネクスト・ソサイエティ』などを読んでなかなか面白いとは思ったのだが、どうもここまで食わず嫌いの気味があった。


 最近、日経のビジネス文庫に収録された自伝(「私の履歴書」をまとめたものらしい)を読み、そういえば、この人、カール・ポランニと親しかったことを思い出した。ポランニはブタペスト、ドラッカーはウィーンだが、まさに末期のハプスブルグ帝国の生み出した、キラ星のごとき知の巨人たちの系譜に、ドラッカーもまた属する。この自伝を読んで、フロイトとも親しかったことを知った。


 やはりドラッカーは、単に「経営の神様」という以上に、文明史家として読んだ方が面白い。というわけで、『産業人の未来』を読み始めたが、バーク、ハミルトン、テンニース、コントなどが次々に出てくるドラッカー節は、やはり彼一流だと思う。