内田百けん

 忙しくなるにつれ、よけいな本を読みたくなる。期末末試験前の高校生時代から変わらない。最近、手を出したのが内田百けんである(けんの字を書いたら、全文文字化けしてしまったので、ひらがなにする)。


 漱石の弟子で、ユーモア・エッセイの達人。黒澤明の『まあだだよ』のモデル、、、な〜んてことを聞いてはいたが、ちゃんと読んだことはない。


 昔、学生時代に、ある女性に「内田百けんを読んでいる」といわれ、「へ〜、渋いですね」と言ったら、「渋くないです」と言われてしまった。たしかに読んでみると渋くはない。何ごとも、知ったかぶりはいけない。


 ついでに最近、「先生、内田百けんみたいに旅に出たらどうですか。ヒマラヤ山系みたいについていきますよ」と言われた。ヒマラヤ山系というのは、『第一阿房列車』に出てくる登場人物の名前である。人をくったニックネームだが、そのときは何のことだかわからないので、適当に「そうだね」と答えておいた。いやはや、知ったかぶりはいけない。


 なかなか面白いが、はたして内田百けんのユーモア・センスが自分に合うかどうかは、まだわからない。でも、今後知ったかぶりをしないためにも、もうちょっと読んでみようっと。