緊張した

 いや、それにしても緊張した。世の中すべては場数で、人前でしゃべる機会が多くなると、うまいへたは別に、それなりに緊張しなくなるものだ。ところが、今日は久しぶりに、とても緊張した。


 一つには、これが4年かけてやった仕事の集大成だ、という意識があったからだと思う。自分たちが4年かけてやってきたことの意味を、今日問われるのだと思うと、どうしても顔がこわばってくる。朝、家を出るあたりから、何となくそわそわしてしょうがない。


 その場になれば、あとは勢いで何とかなるだろうと思ったが、それもうまくいかない。本番がはじまり、自分の出番が来ると、まったく余裕がなくなった。我ながら、自分の視線が浮いているのがわかる。


 まあ、後は実際、あれよあれよで時が過ぎたが、正直なところ、最後まで会場のみなさんに楽しんでいただけたか、納得していただけたか、自信がない。


 でもまあ、言うべきことは言ったかな、というささやかな満足感はある。僕らの思いが少しでも届いたならうれしい。いや、でも緊張したなあ。