研究会の土曜日

 某研究会。12月の土曜日は、27日を除いてすべて研究会ということで、家庭的にはたいへん問題がある。小さくなって家を出る。


 といいつつ、今週も来週も報告をしないといけない。世の中、厳しいのだ。ひーふー言ってレジュメを作る。


 今日の研究会の前半は、日本医師会の言説分析。ふ〜む、こんなこと言ってたんだ。おもしろいなあ。


 後半は齋藤純一さんの『政治と複数性』(岩波書店)の合評会。論文集であるが、実に見事に問題意識が一貫している。理論的水準も高く、現代日本の政治理論の水準を示しているといえる。正直いって、僕は著者の主張のすべてに賛成ではないが、しかし、「国民」、「共同性」、「アイデンティティ」をあくまで排し、あくまで「複数性」、「聴くということ」、「受動性と脆弱性」の視点から政治理論を構築しようとする著者の姿勢には、ただただ圧倒されるしかない。アーレント解釈を通じて「社会的なもの」の回復を目指すというのは、一種の知的アクロバットでさえある。しかしながら、著者は、この課題をあくまで誠実に追求しようとする。


 もっともっと勉強しないと、何一つ言えないなあ、と小さくつぶやく。がんばります。