イタリア現代思想

 しばらく前の日本経済新聞の記事で、いまイタリア現代思想がおもしろい、という文章を読んだ。ネグリアガンベンだけではない。ローマ以来の知的伝統のうえに、現在、帝国や政治と生といったテーマに大胆に切り込んでいるのがイタリア現代思想だ、というような内容だった。


 

イタリア現代思想への招待 (講談社選書メチエ)

イタリア現代思想への招待 (講談社選書メチエ)

 岡田温司さんの『イタリア現代思想への招待』も面白く読んだ。実は僕は昔からロベルト・エスポジトという人に関心があり、『コミュニタース』など、仏語訳などを通じて細々とこの人の書くものを読んでいた。この本のおかげで、だいぶこの思想家についてイメージがつくようになった。


 ちなみに、この人のマキアヴェリヴィーコについての本はとても面白いのだが、どういうわけか、日本語訳まである。どう見ても、リーダーフレンドリーな文章ではないけど。


 まあ、話を政治哲学に限っても、イタリアが面白いのはあたりまえの話なのだ。何せ、蓄積が違う。


 流行それ自体はたいしたことではないかもしればいが、イタリア政治哲学への関心が高まること自体は、歓迎したい。