総合雑誌

 月刊誌が冬の時代だという。とくに、「論壇」系の月刊誌、いわゆる「総合雑誌」はいまや絶滅の危機に瀕している。『論座』と『現代』が休刊し、さらに他にもあぶない雑誌があるらしい。


 何が問題なのか。もはや「論壇」などないのだ、という声は、もう何十年も言われつづけてきたことだ。後に『白いお城と花咲く野原』という本にまとめられる見田宗介朝日新聞の論壇時評も、「論壇」の終わりという話からはじまっていた。80年代半ばのことである。でも、この見田の論壇時評、今読んでみても、とても面白い。


 正直いって、「論壇」とは何なのか、よくわからない。でも、僕自身、読みでのある「論」への欲求はつねにある。


 月刊誌というサイクルが悪いのだという声も多い。でも、ほんとうに論ずべきテーマは、一日単位、週単位でかたづけるべきではなく、月いちくらいでちょうどいい気もする。


 だとしたら、何が悪いのだろうか。結局、編集者と書き手の問題、ということになるのだろうか。いや、実につまらない、陳腐な結論だが。そしてブーメランのように、我が身に返ってくる話ではあるのだが。