字の練習

 Daichiに字を教えることにした。読むほうは、とくに教えなくても、問題ない。日々スポーツ新聞を熟読(?)しているので、字だけは知っているのだ(分野が偏っているが、この際、しかたあるまい)。


 問題は書く方だ。読むのは熱心なDaichiも、書く方にはまったく情熱を持たない。書かせても、「あれ、なんだっけ?」と、まったく覚束ない。大丈夫かな。


 今日、野球盤で遊んでいたときのこと。最終回に、Daichiはサヨナラのスリーベースを打った。あまりにDaichiが狂喜乱舞しているので、ふと、「スポーツ新聞、書いてみようぜ」というと、「書こう、書こう」とがぜんのってくる。


 新聞のタイトルは、「Daichiスポーツ」。一面の見出しはやはり「Daichi、サヨナラスリーベース!」だろう。それだけ書くと、あとは本人が喜々として書きこんでいく。字はすさまじいが、ともかく自分から進んで書こうというのが、いい。まずは、1回から9回までのスコア表など、ひたすら数字を書くDaichi。「文章も書けよ」というと、「う〜ん」。それでも、あいうえおの表を見ながら、なんとか書いていく。「えんちようせんにとつにゆうさよならがち(延長戦に突入、サヨナラ勝ち)」。ふ〜む。「かんどうのきたいにこたえろだいちきたいにこたえる(感動の期待に応えろ!だいち期待に応える)」。なるほど、なかなかふるった表現だね。さらに「だいちのめせいじ(メッセージ?)」。ほうほう。


 なんだか、新たな喜びに目覚めた様子。「明日も書こう!」とはりきって、ようやくベッドに向かったのであった。