政治情報

 信田智人『官邸外交』という本を読む。本自体、なかなか面白かったのだが、「へ〜」と思ったのはあとがき。著者は、実感に基づく数字と断ったうえで、アメリカ政治の場合、公刊されている文書をていねいに分析していくだけで、現実の8割くらいはわかると指摘する。残りの部分については、実際の政策担当者へのインタビューで補うという。これに対し、日本政治の場合、公刊されている文書だけでは、6割くらいしか現実を捉えられないという。


 この数字自体が正しいのかどうかはわからないが、なんとなく、そんなものかなという気がする。しかしながら難しいのは、それでは日本政治の場合、新聞の政治記者がそうするように、ひたすら政界関係者に食い込み、その一言一句を追いかければ、政治の現実がわかるというわけでもないことだ。


 政治について判断する場合の精度の高い情報をどのようにして得るか。日本政治について考える際の一つのポイントであると思う。

官邸外交  政治リーダーシップの行方 (朝日選書)

官邸外交 政治リーダーシップの行方 (朝日選書)