風景の記憶

 島根に来ている。毎年のように来ているので、あらためてDaichiとどこに行こう、という場所もない。家の周りをぶらぶらしたり、せいぜいスーパーに出かけるくらいだ。



 それでも、雨のやんだ夕方、散歩にでかけると、さすがに気持ちがいい。川沿いの土手を歩いたり、家々の間の細い路地を通り抜けたり。



 生活用水の流れ込む小さな水路の独特な甘いような不思議な匂い。そういえば、昔なつかしい匂いだけど、最近はかぐこともない。



 小さな羽虫たちが群れをなしている。うっとおしいけど、これまた最近は目にしない。



 部活の高校生の声。Daichiの記憶に、これらの風景は残るのであろうか。