書評

 書評ということについて、僕に格別見識があるわけではない。ぽつぽつ頼まれるたびに、ああでもない、こうでもないと四苦八苦しながら書いてきた。アメリカ、イギリス、フランスの書評紙などを読んでいて思うのだが、書評というのは、他のジャンルに優って、書き手の教養と芸が問われる。そういう意味で、自分もいい書評の書き手になりたいという願望はあるのだが、いかんせん、教養と芸がない。


 某雑誌が書評欄を新設するので何か書け、と言ってきた。そことは前々からつきあいがあり、へいへいと気安く引き受けてしまう。本についても「何でもいいですよ」と言うので、たまたま机の上にあった本を取り上げてしまった。


 本が送られてきて、ちょっとびっくりした。書評欄新設ということで、何だかずいぶん気合いが入った特集を組んでいる。某先生の「この欄に期待する」みたいな文章や、批評をめぐる有名編集者と書評家の対談ものっている。ふむむ、、、そこには「新人の教育には、書評を書かせるのがいい」なんて発言も飛び出している。そうか、僕も教育されているのか、、、うげげげ