スターバックス

 ちょっと用事があって、キャンパスを端から端まで歩く。ふだん、研究室周辺、せいぜい書籍部までくらいが行動範囲の僕としては、ちょっと珍しい。


 その帰り道、むかしは荒れ放題だった空き地がきれいに整備され、庭園になっているのに驚く。もっと驚いたのは庭園のはじにスターバックスを見つけたこと。いやあ、このキャンパス内にもスターバックスがあるんだ。びっくりびっくり。あんまり驚いたので、思わずラテのトールサイズを頼んでしまった。いや、これは太るな。


 一昔まえまで、大学のキャンパスは荒れ放題、お化け屋敷みたいな建物が多かった。「何十年前から使っているんだろう?」という建物のなかで、貴重なのか、単なるがらくたなのか、傍目には判別しがたい代物を、うれしそうに研究者がいじっている、というのが、僕の大学のイメージだった。いまは、こぎれいな建物も多くなった(僕の研究室のある建物は、まったく昔のままだけど、歴史の浅い建物なので雰囲気はない)。


 一見オフィスビルを思わせる建物での研究と、お化け屋敷での研究。なんだか中身も違ってきそうだ。