本屋めぐり

 昨日、待ち合わせまで少し時間があったので、新宿の紀伊國屋書店によった。いやあ、恥ずかしながら、最近、本屋に行ってなかったなあ、ということを痛感する。ははあ、こんな本も出てる、のオンパレードだった。


 業界話になるが、政治思想史の世界で、いつかいつかと待たれていたポーコックの『マキアヴェリアン・モーメント』の翻訳がついに出ることは聞いていたが、昨日見つけたのは、シェルドン・ウォーリンの『政治とヴィジョン』の増補版の翻訳。いやあ、ずいぶん分厚い本になったものだが、よく出たものだ。僕らが大学院に入った頃は、西洋政治思想史の教科書と言えばこの本だった。増補され、現代にまで筆の及んだこの大著は、新たなスタンダードとなるのだろうか。

マキァヴェリアン・モーメント―フィレンツェの政治思想と大西洋圏の共和主義の伝統

マキァヴェリアン・モーメント―フィレンツェの政治思想と大西洋圏の共和主義の伝統

政治とヴィジョン

政治とヴィジョン

 ヴィーコの『新しい科学』の訳も刊行が始まったようだ。上村忠男訳。ロックの『統治二論』の加藤節訳など、日本の政治思想史研究もテキスト面で新たな時代に入ったのかもしれない。


 そういえば、タイトルの連想だけど、エリック・フェーゲリンの『政治の新科学』や『秩序を求めて』の訳も出ていたんだねえ。日本の翻訳文化もたいしたものだ。


 佐藤優もすごいなあ。彼のNHKブックスの新著は、マルクス・聖書・柄谷行人はともかく、宇野弘蔵を使って現代日本社会を分析するのか。すげ〜。


 ウェーバー、ギールケ、、、本格的な研究書の刊行も相次ぐ。いやはや、なんだかくらくしてしまった。