大人数は鬼門

 1年生向けの大人数講義がはじまる。いや、この講義、僕にとって毎年鬼門である。


 専門課程の学生さんというのは、とりあえず、なんというか一種の諦念をもって講義に出ている。こちらがかなりまずい講義をしても、たんたんと聞いてくれる。まあ、そういう学生さんしか、講義に出てこないとも言える。


 ところが、1年生の場合、そうはいかない。元気いっぱい、むらっ気いっぱい。すきあれば、おしゃべりをしたくなるし、よそ見をしたくなる。そういう学生さんの気を逸らさず1時間半しゃべり続けるのは、それなりに一仕事である。


 僕もだいぶ場数を経験してきたが、正直いって、とっても講義が上手というわけではない。こちらのテンションが低いと、学生さんたちもたちまち気がそぞろになる。まあ、そういうレベルである。というわけで、1年生向けの講義は、とってもとっても鬼門なわけである。


 今年は教務の悪意か、狭めの部屋。初回ということもあって、部屋をあふれんばかりの数の学生さんが押し寄せる。とうぜん、ざわついていて、あまりいい環境ではない。


 でもまあ、今日のところは、まずまずの出だし。一生懸命聞いてくれて、感じのいい学生さんたちだ。次回以降もこういう調子だといいのだけど。今学期もがんんばるぞ。