2冊の漫画

 明日から再度出張の旅ということで家族には迷惑をかけるが、今日も日曜出勤する。


 といいつつ、行き帰りの電車で二冊の漫画を読む。ふだん漫画を読む機会が多くない僕としては、二冊ともたいへんカンドーものであり、電車の中でウルウルしてしまった。


 

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

一冊は、Tさんがブログで紹介されていた「夕凪の街桜の国」。今、映画化されて、ポスターを見かけることも多いが、僕は実のところ、この映画が広島の原爆をテーマにしたものであることに、あまりピンと来ていなかった。ある意味、「はだしのゲン」と通じるテーマを、現代的感覚で、微妙な心の痛みとして描いている。


 

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

もう一冊は「海街diary」。鎌倉を舞台にした現代の家族のありかたを問う漫画。母親の違う4人姉妹の暮らしを、ユーモア感覚とともに深い人間理解をこめてたんたんと描く。人間の弱さを示すとともに、弱い人間がそれを受け止めるためにどうしたらいいのか、考えさせる。作中に出てくる「おとなのするべきことを子供に肩がわりさせてはいけないと思います(……)子供であることを奪われた子供ほど哀しいものはありません」という言葉に深く共感。現代の漫画、画風からいって「少女漫画」といっていいと思うけど、その表現の幅の広さに強く感銘した。



 政治学の論文で、これだけの表現の幅を持たせることは不可能なのかと、ちょっと夢想する。