Difficile?

 先日、このブログでもとりあげた原島由美子『オシムがまだ語ってないこと』で、気に入ったエピソード。


 オシム監督はとりあえず英語でもインタビューに答えてくれるらしいが、オシム番である著者が、あるとき、パーティーで一人でいるアシマ夫人をみつけた。チャンスとばかり話しかけたのだが、「英語はあまりわからないので、フランス語かドイツ語で」と言われた。一瞬どうしようかと思ったが、このチャンスを逃すわけにはいかないと、大学の第二外国語で習っただけのフランス語で、必死に「Je m'appelle...(私の名は、、、)」と話したという。幸い、アシマ夫人は、わかりやすい言葉を連ねてくれたおかげで、なんとなく話はわかったという。で、インタビューが終わって、へろへろになった著者を見たオシム監督はニヤリと笑って一言


 「Difficile(難しかったかい)?」とつぶやいたという。


 なんとなく、オシム監督の顔が思い浮かぶ。彼の人柄(ちょっと意地悪、でも見ているところは見ている)が想像できて、面白い。