朝は9時30分スタートです

 昨日のブログに、今日は9時から、と書いた。司会者が開始直前に登場というのは、やはりまずかろうと思い、30分前の8時30分に会場のM学院に。が、受付にもあまり人がいないし、会場の教室は暗く、誰一人いない。9時近くになっても誰一人来ない。というか、報告者も来ない。いくら学会二日目の朝のセッションとはいえ、これはいくらなんでもひどいのでは、と一人憤慨していたとき、プログラムをよく見たら9時30分スタートだった。な〜んだ、そうだったのか。おかげでペーパーをもう一度読み直す時間があってよかったけど。


 本当の開始時刻になると、まずまず人が集まる。若い人が多いようだ。そうこなくっちゃ。自由論題のセッションだったが、それなりに盛り上がり、3時間があっという間に過ぎる。


 午後のセッションでおもしろかったのは、石川啄木社会主義についての報告。その報告者Uさんの発表をいつも楽しみにしている。問題意識は壮大、かつ鋭い上に、思想史家らしく取り上げるテクストとその読みが実にスリリングである。あまりに壮大な問題意識を提示されるために、いったいぜんたい話に収拾がついたのかつかなかったのか、よくわからないことが多いのも愛きょうである。今回も、啄木における小説と短歌の位置づけの違いから彼の社会主義を論じ、かと思うと現代における希望論、フリーター論、時間の政治学論へと話が展開していくのを、おおいに楽しませてもらった。こういう話を聞くと、わざわざ学会に出てきたかいがあると思う。