親子の会話

 この土日、Daichiと二人で過ごす時間がけっこうあった。で、あらためて思ったのは、結構二人の関係って対等だよな、ということだった。もちろん、こちらは親なのであり、しかるときはしかり、きちんと言うべきは言わなければならない。が、総じて言うと、どうも会話は対等な人間同士のものになる。「出かけようか」。「え〜やだよ」。「だって借りてるビデオ、今日までに返さないといけないんだよ」。「でも、朝、今日はでかけない、って言ったじゃない」。「まあ、そうだけどさあ、でもやっぱりビデオ屋に行かないと」。「明日でもいいじゃない」。「う〜ん、でもねえ」。こんな調子である。4歳児相手に、何を説得に困っているのだ、と思わないではないが、まあ、いつの間にか、よくしゃべるようになったわいと感慨がなくもない。


 思えば、僕と両親の関係もそうだったかもしれない。A-sanに言わせると、僕と両親の会話は「親子というより、対等な仲間同士の会話みたい」らしい。別に親への敬意を欠いているつもりではないのだが、うちの親の側でも自分たちをあまり親と思っていないようだ。僕が少しでも自慢をするなら、「いや、俺だって」「いや、私だってすごいのよ」と、自分の自慢を始める。別に、いまどき風の友達親子だったというわけではない。僕の父はけっこうこわかった。が、しかし、会話がなんとなく対等者間風だったのだ。まあ、親子なんてだいたいそんなものという気もするが、どうなのだろう。


 なんだか、今後もずっとこんな調子で話していくのだろうな、と思うとちょっと面白くなる。