40歳

 今年、僕は40歳になる。今日、学生時代からの友人たちと食事をしながら、「自分が40歳になるとき、こんな風になっているとは思わなかったなあ」という話をした。自分が20歳頃のとき、40歳というのは、いい意味でもそうでない意味でも、もっと落ち着いたおじさん・おばさんになると思っていた。ところが実際は、肉体こそすっかりがたがきたものの、精神の方は、どうにもこうにも、いまだふらふらし続けている。


 僕らの世代は、いつの頃からか、こういう風に歳をとっていけたらいいな、というロールモデルを見失ってしまったようだ、という話にもなった。たしかにそうかもしれない。どういう40代になるか、自分たちで模索していくしかない。でも、僕らの世代もまた、いくらあがいてがんばってみても、次の世代のロールモデルにはならないんだろうという点でも、意見が一致した。ある種の生活感覚が、僕らより少し下の世代との間で大きくずれてしまっているからだ。やはり、僕らはバブルを間接的にではあれ、経験してしまった世代というわけだ。


 でも、これからの5年くらい、しんどくてもがんばらないと、後は落ちていくばかりになってしまうなあ、ということで、ささやかに励ましあって分かれた。まあ、僕らと同じような世代が、きっと今晩も、あちこちで同じようなことを言っているんだろうけど。


 世代論というのは、いつでもちょっとあやしい。でも、今日は、なんとなく、そんな感じの話をした。