職場関係

 職場の英文雑誌の仕事で、8本の論文を読む。ほとんどが歴史研究である。ジェンダー、植民政策、日英関係、日本型ブルジョワジー、などなど。いずれも力作である。問題関心、方法論、文章のスタイルはかなり違うが、英語による日本の歴史研究の世界を堪能した。正直言って、こういう世界があるんだな、というのが率直な印象。やはり日本語による日本の歴史研究とはだいぶ違ったイメージになる。自分が知っているような気がしていたテーマも、何かワンクッション置かれて、違った世界に見える。面白い経験だ。


 そのあと、同じく職場の研究会。若者の右傾化がよく言われるが、それは本当なのか。しばしば現代の若者のナショナリズムは、イデオロギー的なものであるというより、その置かれた環境の不安定化による不安の現れだと言われるが、それは本当か。はたして異なった社会集団が、それぞれ異なった類型のナショナリズムを持っているのか。データを使った検証において、これらの仮説が本当に妥当かが論じられた。結論は、これらの仮説にいずれも「?」を投げかけるものだった。う〜ん、そうか〜。難しいところだな。