加藤周一

 なんとなく加藤周一づいて、三冊のブックレットを読んだ。
9条と日中韓 (かもがわブックレット)
吉田松陰と現代 (かもがわブックレット)
後藤田正晴語り遺したいこと (岩波ブックレット (No.667))

 あとついでに、この本も。
時代を読む―「民族」「人権」再考


 加藤の語ることに、ほとんど異議はない。学ぶことが多いし、後藤田との対談(三冊目の本)も、二人の間のズレを含め、興味深い。


 しかしながら、読めば読むほど、加藤の言うことはいかにも正しいのだけれど、彼が言うことを、僕は自信を持って自分の言葉としては語れないなあ、と思ってしまうのだ。


 ここらへんは微妙で、改憲派とか論憲派にシンパシーを感じるというわけではない。ただ、加藤が言うようなことを、僕が、僕自身の考えとして、自信を持って語れるかと言われると、どうも微妙なのだ。自分の実感を込めて憲法について語ることができないというのは、今の時代、困ったことだなあと思うが、自信がないものは、やはり自信がない。


 自分の言葉で少しずつ考えていけるといいのだけど。