紙芝居

 昨日僕は、研究会で土曜出勤。A-sanとDaichiは市の図書館に行ったらしい。


 借りてきたもののなかでおもしろいのが紙芝居。アンパンマンシリーズで、タイトルは「アンパンマンとまいごのうちゅうじん」。アンパンマンシリーズの紙芝居は人気で、Daichiは残っていた最後の一つをゲットして、周りの子にうらやましがられたという。


 まず、何より紙芝居という媒体がすばらしい。見ていて飽きない。やはり絵と絵の間に隙間がある分、それを想像力で補うことになる。次はどうなるのだろうかと、想像する余地がある。アニメだと、絵が連続して隙間がない分、想像力が入り込むタイミングがない。


 あと、読んでいて、そもそも話がおかしい。やなせたかしという人、やはりただものでない。迷子になった宇宙人の子(ぴいちゃん)とアンパンマンの会話。アンパンマン「ぴいちゃんは、うちゅうじんだったんだね」、ぴい「うちゅうじんって?」、アン「つまり、にんげんじゃない、ふしぎなものさ」、ぴい「ぼく、ふしぎでないぴいよ」、アン「ふしぎだよ」、ぴい「アンパンマンのほうがもっとふしぎぴい。かおがたべられるぴいい。おいしいぴょーん」、アン「うん、ま、そりゃそうだけど、、、」。差別の論理への鋭い切り返し。


 しかし、逆に、バタコさん(アンパンマンを作ってくれるジャムおじさんの助手)の発言はしんらつ。宇宙人を見たというアンパンマンを信じないバタコさんは、「あははは、うっそー。アンパンマンのあたまのなかは、やっぱりあんこね」。けっこうきつい。


 アンパンマンが迷子の宇宙人の子を届けて、その子のお父さんとお母さんに感謝されるシーン。宇宙人の子に「アンパンマンのかお、とってもおいしかったぴい」とほめられて、アンパンマンが「いや、ぼくなんか、ただのあんぱんです。はずかしい」と意味不明に照れるのも、なんだかおかしい。


 まあ、それはともかく、紙芝居をたんのうした。問題は、Daichiがおとなしく話を聞いていないで、「Daichiが読む!」という点。そのくせ、自分で読み出すと、途中で読めなくなって、すぐにむにゃむにゃと口ごもった後、完全沈黙に陥る。それでもめげずに、「Daichiが読む!」と、すぐに紙芝居をひったくって、僕に絵を見てろと指示する。はいはい、まあ、がんばって下さい。