漫画

 最近、とある新聞に短い文章を書かせてもらっているのだが、思いがけない反応があった。同じ紙面に定期的に漫画を書いている人からメールをもらったのだ。この漫画家の人、何の用があってメールをくれたかというと、実は小学校の同級生だった。


 そう、僕は小学校の頃、漫画家になりたかったのだ。この友達、たいそう漫画が上手で、しかも家にたくさん漫画があったので、しょっちょう遊びに行って、一緒に漫画を書いていた。ケント紙にちゃんとインクで書いていたのだから、なかなか本格的だった。


 友人はその後美大に進み、高校の美術の先生になった。最後にバスの中で会って話をしたのは15年近く前のことだ。今回ネットで検索して、彼のその後の経歴を知った。もちこみで『ガロ』に採用され、その後はとんとん拍子で活躍しているようだ。


 彼も新聞で僕の名前を見つけて、「ひょっとしたら」とメールを送ってくれたのだ。不思議な縁だ。


 ちなみに、漫画家になる才能のなかった僕は、Daichiにドラえもんアンパンマンの絵を描いてあげることで、かろうじてわずかな画才を活用している。