『日中一〇〇年史』

 帰り道に丸川哲史『日中一〇〇年史』(光文社新書)を買い、電車のなかで読んで帰る。

日中一00年史 二つの近代を問い直す (光文社新書)


 日本の近代史を中国と対比して論じるスケールの大きな本。すっかり感心してしまった。安易な反中論が横行する中、日本の近代史を理解するには、欧米社会との関係だけでなく、中国(および他のアジア諸国)との関係を考えることが不可欠であることを思い起こさせてくれる。近代化を共和制の樹立から開始した中国と、君主制の復古によって開始した日本という対比も、重要だと思う。日本と中国の関係史を、単に事実のレベルだけでなく、思想的意味のレベルで反省する必要性を教えられた。