採点

 今日も一日採点。300人を越える採点はたいへんだ。しかし、よく言われることだが、最初数十枚を見ると、だいたい採点基準が定まり、採点基準が定まると、答案用紙をぱっと見た瞬間、おおよその評価ができるようになる。という具合で、次第にペースがあがってくる。


 しかし、何枚も見ていると、いやなことも目につくようになる。僕は試験前に、おおよそ、試験の形式や出題する問題の大枠を講義中に示唆するようにしている。そのせいだろうか、いくつかシケプリ(試験対策プリント)が出回るようである。なんでわかるかと言えば、何枚か見ているうちに、目につく答案のパターンがいくつかあることに気づくからだ。内容はもちろん、言葉遣いまで酷似している。こういうのを規制するため、事前に一切、試験の話をしないという考えもあるけど、まあ、試験前に必死にこういうシケプリを勉強することも、まったく無意味ではなかろうということで放任している。


 ともかく、そういうシケプリが数パターンあり、当然のことながら、出来不出来がある。採点の方針としては、当然のことながら、パターンに沿った答案より、自分の言葉で書いている方を評価するが、内容的に正しければ、いかにもパターン通りの答案にもそれなりの評価をしないといけない。まあ、不出来なシケプリに沿った答案などは、何の気兼ねもなく厳しい評価をつけられるが、出来のよいシケプリに沿っているものの、書き手がいかにもわかっていないで書いていることがあらわな答案など評価が難しい。おかしいのは、シケプリに誤字がある場合で、みんな律儀にその誤字を書いている。


 いつものことながら、いくつかはこちらが感心するくらい出来のよい答案がある。反面、やけくその答案もある。やけくそ具合がなかなか読んでいて面白い。あまりに面白いと、あるいは点をあげたくなるが、まあ、おおいに笑わしていただいた上で、手厳しく評価する。


 なんとか採点が終わったが、また大人数のが今週中にある。